電波塔

21世紀型スノッブを目指すよ!

ジョリヴェのTp.協奏曲二番について / 運指練習に関する覚書

トランペットについての話題。最近ジョリヴェのTp.協奏曲二番をさらっている。これも先日も書いたおさらい会で本番にかける予定。 ジョリヴェのTp.協奏曲二番について www.youtube.com私はこの作品が(現代楽器のための)トランペット協奏曲というジャンルの…

優雅な生活が最高の復讐

そういうタイトルの本があったな。読んだ本のタイトルすら忘れるのだが読んでいないのにこの本のタイトルは覚えている。あらすじすら知らない(から今調べたところだ……画家の夫妻を題材にとったノンフィクションらしい)というのに。何となく私は SNS だのに…

三月

「観たもの」が昨年の8月で止まっており三日坊主っぷりを露呈してしまっている。そのうちまとめて書こうかとも思ってはいるけれども……。もっとも、助かることにというか? 2015年の3月はあまり観に行ったものがない。 観に行った展覧会 三菱一号館美術館の「…

ゆとり世代の文書作成法

現代人の大半はそうだと思うが、私は Word を憎んでいる。しかし私はゆとり世代なので、何もかもを TeX で書くことに支障を感じないほどのハードコアでもない。入力支援があったところで \begin{itemize} ... みたいなものを入力したくないし、もっと言えば…

観たもの、2014年8月

展覧会「不思議な動き キネティック・アート展 ~動く・光る・目の錯覚~」 @損保ジャパン東郷青児美術館 http://www.museum.or.jp/modules/im_event/?controller=event_dtl&input%5Bid%5D=82788 キネティック・アートというのは初めて観たけれども、雑にま…

靴に住む老女

一度さらっと読んだ J. M. Coetzee の Age of Iron を読んでいると、よくわからない文に行き当たった。 So now I have five people in the backyard. Five people, two dogs, and two cats. The old woman who lived in a shoe. And I didn't know what to d…

観たもの、2014年7月

いまさら。 東京シンフォニエッタ定期演奏会 曲目はジョージ・ベンジャミン、マグヌス・リンドベルイ、ジェラール・グリゼー「周期」、ヤニス・クセナキス「ジャロン」。 残念ながら聴けたのは休憩後から。元々目当てはその休憩後の二曲だったこともあり、そ…

フォートリエ展を観て、観たあとで

ふた月も前に観た東京ステーションギャラリーでのフォートリエ展について書こうとしながら、出展作品リストさえ持って帰らなかったのを後悔している。いつも、カタログは買わなくとも出展作品リストは持って帰るのだが。何が出展されていたのか記憶をたどる…

観たもの、2014年6月 続き

もう7月も終わってしまう。すぐに書かないとどんどん忘れていくせいもあって、何だか雑なまとめ方になってしまった。 展覧会「ジャック・カロ―リアリズムと奇想の劇場」国立西洋美術館にて http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2013callot.html ジャック・…

観たもの、2014年6月

展覧会「ニコラ・ビュフ ポリフィーロの夢」原美術館にて 美術館全体をゲームの世界にしようといったコンセプトの展覧会だった。まずエントランスからしてそうで、大きな猫みたいなキャラの作品が設置されていて、その口のなかへと入っていくことに。 ニコラ…

ドキュメンタリー映画の悦楽

カンボジアの映画監督リティ・パニュによる、クメール・ルージュの政治犯収容所に取材したドキュメンタリー映画「S21 クメール・ルージュの虐殺者たち」を観に行ってきた。ここで内容にそれほど深く踏み込むつもりはないが、2万人の収容者のうち生き残ったの…

レトリックとロジック、またはどうしてみんな国語が嫌いなのか

国語ほど嫌われている科目があるだろうか(国語で習った反語表現というやつだ)。 数学も同じくらい嫌われているかもしれないけれど、数学が嫌いな人の大半は、いや半分くらいは、点数が取れなくて苦手意識を持っているだけで数学を軽蔑している訳ではない……望…

観たもの、2014年5月

新日本フィルハーモニー交響楽団定期演奏会 幸運にも知人から券を譲っていただけた演奏会。指揮者はダニエル・ハーディングで、曲目はブラームスの交響曲第二・三番。 ハーディングの指揮するブラームスという意味では以前に一度聴きに行ったことがあって、…

感性は的、いや敵

などとつまらないダジャレたモットーを思いついたのは昨日だけれど、前々から実践しようとしていたことである。つまり、文章を書くときに「感」や「性」や「的」といった接尾辞を安易に使わないようにしよう、ということだ。恐らくこんなことは言い古されて…

いわゆる教養

人から「教養があるね」と言われる程度には私は教養なるものを備えているらしい。このブログでも話題にしているように美術だとか音楽だとか書物だとかに親しんでいることを、それは指しているようだ。そう言ってくる人の態度にはどこか距離がある。このせり…

ジャケット一着で

先月のことになるけれど、働き始めたことだしちょっと良いのが欲しいなと、ジャケットを買った。それまで持っていたものと言えば、高校生の時に買った安物の哀れなくらい着古されたものが一着と(いや、正確に言うとこれはあまりにみすぼらしかったので少し…

魅惑のニッポン木版画

横浜美術館で開催されている「魅惑のニッポン木版画」展が非常に良い展覧会だったので、少しでも観ようという人が増えれば良いな、と感想を書いていく。 ここのところ私は浮世絵への関心を高めているものだから、それ以降の流れを俯瞰するものとしてのこうい…

歴史小説の史実との向き合い方

先日読んだローラン・ビネの「HHhH――プラハ、1942年」(高橋啓訳)にはいたく感動した。その次に読み始めたのはレイナルド・アレナスの「めくるめく世界」(鼓直/杉山晃訳)だ。これまた強烈な作品で、いま半分くらいまで読んだところだが、非常に楽しめてい…

2014年4月、観たもの

アルバン・ベルク作曲オペラ「ヴォツェック」新国立劇場 二十世紀を代表するオペラの一つ。二十五歳以下なら二人で五千円などという破格のプランを知らされたら行かざるを得まい。 何より素晴らしかったのはアンドレアス・クリーゲンブルクの演出! ステージ…

少し遅れての追悼文

ガボが死んでもうすぐ一月ほどになろうか。 彼との「つながり」といえば、彼の書いたものを――いくぶん熱心にとはいえ――読むというだけのことだ。これまでも、これからも、そこには変化がない。であれば滑稽ですらある感情だろうけれども、肉親が亡くなったよ…

行った展覧会、2014年3月

書いてしまわないと忘れそうだったので、荒っぽいが書き留める。 プライベート・ユートピア ここだけの場所 ─ ブリティッシュ・カウンシル・コレクションにみる英国美術の現在 東京ステーションギャラリーにて http://www.britishcouncil.jp/private-utopia/…

モネの眼を、私の眼で?

「国立西洋美術館×ポーラ美術館 モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新」に行ってきました。やはりモネは人気があって、会期終了も近づいているとはいえ、平日の午前に行ったというのに大層な人混みでした。 数点の個人蔵を除けば出展作品は全て、…

Python のリスト内包表記とラムダ式でいくつも関数を生成すると

初投稿のプログラミング関係のエントリ.リストの中の要素に応じて動作の変わる関数のリストを作りたいなあということがあって,それでちょっと引っかかったのでメモ. つまり大雑把に言うと >>> fs = [lambda a: x + a for x in range(5)] みたいに書いて,…

格子越しに、女傑絵師の目越しに、吉原を覗く

葛飾応為の代表作である「吉原格子先之図」が原宿にある浮世絵太田記念美術館にて公開されているので、観に行ってきた。彼女は葛飾北斎の末娘で、美人絵に関しては北斎が「自分よりうまい」と評したほどの人物であった。「吉原格子先之図」は艶やかな色彩感…

休日トランペッターのための練習方法

学生時代に一緒に演奏してきた同世代の友人達も社会人であったり大学院生であったりになってきて、そうでなくても社会人団体にいると「練習時間が取 れないからどんどん下手になる……」とぼやく人は多い。私も週末くらいしか楽器をちゃんと吹かない日曜音楽家…

Divitionism!

ポスターを観た時からずっと行きたかった展覧会、新国立美術館で開かれている「印象派を超えて 点描の画家たち スーラ、ゴッホからモンドリアンまで」(http://km2013.jp/)に赴いてきました。表題に示された三人はいずれも好きな画家でしたし、彼らを中心とし…

ポリーラウンジに参加してきたよ。

去る11月30日、池袋のグレースカフェで催されましたポリーラウンジというイベントに参加してきました。ポリーラウンジとはなんぞやというと、ポリーアモリーな人たちを中心にした交流会でございます。え、で、ポリーアモリーとはなんぞ? ええ、今の日本だと…

新国立劇場「バレエ・リュス ストラヴィンスキー・イブニング」

去る11月16日、新国立劇場にて、座付きのバレエ団によるところの「バレエ・リュス ストラヴィンスキー・ナイト」を鑑賞してきました。演目は全てストラヴィンスキーの、「火の鳥」「アポロ」「結婚」という三本立て。 この作曲家のことは昔から好きだったこ…

リュック・フェラーリ七回"帰"――「ヴァレーズ礼賛」/「砂漠」

このブログ、アカウントだけ取ってずっと放っていたのですが書いてみることに。 最初だから何か気合入れたものを、というのもなかなかネタが無いので、特に何の変哲もなく、見てきた映画の感想などを。 8/26は渋谷 Uplink にて表題の通りリュック・フェラー…