2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧
人から「教養があるね」と言われる程度には私は教養なるものを備えているらしい。このブログでも話題にしているように美術だとか音楽だとか書物だとかに親しんでいることを、それは指しているようだ。そう言ってくる人の態度にはどこか距離がある。このせり…
先月のことになるけれど、働き始めたことだしちょっと良いのが欲しいなと、ジャケットを買った。それまで持っていたものと言えば、高校生の時に買った安物の哀れなくらい着古されたものが一着と(いや、正確に言うとこれはあまりにみすぼらしかったので少し…
横浜美術館で開催されている「魅惑のニッポン木版画」展が非常に良い展覧会だったので、少しでも観ようという人が増えれば良いな、と感想を書いていく。 ここのところ私は浮世絵への関心を高めているものだから、それ以降の流れを俯瞰するものとしてのこうい…
先日読んだローラン・ビネの「HHhH――プラハ、1942年」(高橋啓訳)にはいたく感動した。その次に読み始めたのはレイナルド・アレナスの「めくるめく世界」(鼓直/杉山晃訳)だ。これまた強烈な作品で、いま半分くらいまで読んだところだが、非常に楽しめてい…
アルバン・ベルク作曲オペラ「ヴォツェック」新国立劇場 二十世紀を代表するオペラの一つ。二十五歳以下なら二人で五千円などという破格のプランを知らされたら行かざるを得まい。 何より素晴らしかったのはアンドレアス・クリーゲンブルクの演出! ステージ…
ガボが死んでもうすぐ一月ほどになろうか。 彼との「つながり」といえば、彼の書いたものを――いくぶん熱心にとはいえ――読むというだけのことだ。これまでも、これからも、そこには変化がない。であれば滑稽ですらある感情だろうけれども、肉親が亡くなったよ…